どうも、とんマヨです。大阪で民泊を運営しながら、このブログを書いています。
ここ数回、インフレでお金が痩せる話や私の投資法を書いてきました。今日はその「前日譚」です。
実は私、投資を始める前に16年払い続けた個人年金保険を解約してます。今日はその答え合わせ——払った額と戻ってきた額、全部書きます。
16年て。私が生まれるだいぶ前から払ってたんですか。
せや。20代のワイが深く考えず契約して、40代のワイが尻拭いした話や。
📄 何に入ってたのか
20代の頃に契約した、円建ての個人年金保険です。月16,000円を払い込んで、60歳から年間70万円を10年間(計700万円)受け取るタイプ。よくあるやつです。
実はこれ、自分で選んだ商品ですらありません。母親が「あんたのために」と段取りしてくれたものでした。母が昔から懇意にしてた保険のおばちゃんに「いい商品です。老後にしっかり備えましょう」と太鼓判を押されたのを、今でも覚えてます。
当時の私は「老後に備えて何かやってる自分」に満足してました。中身はほぼ理解してません。この手の商品は「保険料控除で節税にもなりますよ」が決まり文句ですが、節税額より運用の非効率のほうがずっと大きいことは、当時の私は知る由もなく。16年間、口座から毎月16,000円が静かに消え続けました。
🧾 答え合わせ:16年でいくら増えたか
去年の秋、解約しました。結果はこうです。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 払い込んだ総額 | 約307万円 | 月16,000円×16年 |
| 解約して戻ってきた額 | 約325万円 | 解約返戻金 |
| 差額 | +約18万円(+5.8%) | 元本割れは回避 |
16年払って、増えたのは約18万円。元本割れせえへんかっただけマシ、という結果でした。
「解約返戻金」って何ですか。読み方すら怪しいんですけど。
「かいやくへんれいきん」や。保険を途中でやめた時に返ってくるお金のこと。ワイも解約するとき初めてちゃんと調べた。分からん言葉はその都度AIに聞いたら教えてくれるで。

🤔 「プラスなら得やん」——ほんまに?
18万円増えたんなら、ようやったほうなんちゃいます?
ワイも最初そう思った。せやけど年利に直したら約0.7%や。
16年かけて+5.8%。これ、年利に換算すると約0.7%です。
ここで前回のインフレの話を思い出してください。いま物価は年1.7%ペースで上がってます。つまり年0.7%でしか増えへんお金は、額面はプラスでも、買えるモノの量では毎年目減りしてたわけです。
「元本割れしてないからセーフ」やと思ってたら、インフレに対しては16年間ずっと割れ続けてた。これが答え合わせの本当の中身でした。
もうひとつ、悔しい計算をお見せします。同じ月16,000円を、同じ16年間、仮に年4%で運用できてたらいくらになってたか——約430万円です。実際に戻ってきたのは約325万円。同じお金・同じ期間で、置き場所の違いだけで100万円以上の差がついてた計算になります。
※ 年4%は説明用の仮定です。実際の運用にはブレも元本割れリスクもあります。それでも「置き場所で差がつく」構造自体は変わりません。
しかも年4%は、かなり控えめな仮定です。私が払い込んでたこの16年は実は市場の当たり期で、米国株の代表的な指数(S&P500)は配当込みでざっくり年13%前後で回ってました。円建てなら円安も乗って、さらに上です。同じ積立をそっちに置いてたら、計算上は約1,000万円。……胃が痛くなってきたので、この計算はここでやめます。
※ これは結果論です。この16年がたまたま歴史的な好調期やっただけで、次の16年も同じとは限りません。
ただ、これだけは結果論やない。保険会社かて、集めたお金をプロが運用してます。ほな、その運用益と私に戻ってきた年0.7%の差額は、どこに行ったんでしょうか。
駅前に建ってる生命保険会社の、立派な自社ビル。あれが答えです。

🍄 なんでこんな商品に入ってもうたのか
お金の勉強を始めてから、自分が入ってたものの正体がやっと分かりました。あれは「薄い保障」と「手数料の高い運用」がセットになった商品やったんです。
保障が欲しいなら掛け捨ての保険のほうが安くて手厚い。運用がしたいなら低コストのインデックスファンドのほうが圧倒的に効率がいい。セットにした瞬間、どっちも中途半端になって、手数料だけがしっかり取られる。お金の勉強界隈やと"毒キノコ"なんて呼ばれ方をする類の商品です。
認めたくないものだな…自分自身の若さゆえの過ちというものを——って言いたくなりますが、20代の私に金融知識はゼロ。「老後」「安心」「年金」という言葉の並びだけで判を押してました。

ここで大事なのは、誰も悪気がなかったことです。母の「あんたのために」はホンモノの愛やし、保険のおばちゃんも自分の売り物を信じて勧めてた。せやからこそタチが悪い。善意のルートで回ってくる商品ほど、中身を確かめる人が誰もおらんまま契約まで進むんです。断る理由が「商品の中身」やなくて「人間関係」の話になってまうから。
🙅 反論:途中解約こそ損なんちゃうの?
これはよく言われますし、半分正しいです。個人年金保険は途中解約すると元本割れする設計のものが多い。私は16年払ってたから運良くプラス圏でしたが、加入から日が浅い人が解約すると普通にマイナスです。
それでも私が解約を選んだ判断基準は3つです。
- ① 保障として要るか?——保障が目的なら掛け捨てで代替できる。うちはそもそも保障部分がほぼ無い商品やった
- ② 置いとくお金の機会費用は?——このまま年0.7%で寝かせるか、別の場所で働かせるか。差は複利で開き続ける
- ③ いま現金が要るか?——当時のわが家は民泊開業の直前。まとまった資金の使い道が明確にあった
ちなみに「払い済み」といって、以後の払い込みだけ止めて積んだ分を契約として残す中間の手段もあります。ただ、私はこれには反対です。非効率な商品にお金を寝かせ続けること自体が機会損失やからです。この手の商品は、買った時点で損の構造が確定してます。過去に払った分は取り返せません。取り返せるのは「これから先の時間」だけ。満期までの残り期間にもよりますが、基本は解約して、これからのお金に働き場所を変えさせるほうがスジがいいと私は考えてます。
大事なのは「解約したら損か得か」やなくて、「この商品を今日、新規で契約するか?」という問いです。答えがNOなら、持ち続ける理由も本来は無いはずなんです。私の場合、月16,000円で16年、この問いを一度も自分に投げかけたことが無かった。それが一番の敗因やったと思います。
※ 解約返戻金には税金がかかる場合があります(私の場合は払込額との差が小さく一時所得の特別控除内でした)。金額が大きい方は解約前に確認を。
🏠 解約金の行き先
戻ってきた約325万円は、民泊の開業資金になりました。解約金が着金したのは、ちょうど開業の2ヶ月ほど前。設備を揃え、備品を買い、消防の工事をして——あのお金が無かったら、開業はもっと苦しいスタートでした。
おまけに、毎月出ていってた16,000円の払い込みも消えました。まとまったお金が入って、毎月の固定費も減る。キャッシュフローが両側から楽になるのは、開業直後の不安定な時期にほんまに効きました。
ほんで半年経ったいま、宿はスーパーホストの認定をもらって回ってます。「60歳から受け取るはずやったお金」を「40代のいま、稼ぐ力に変える」——私はこの使い方で良かったと思ってます。積み立てられたお金は増えるだけやけど、稼ぐ力は増やし方そのものを変えてくれるからです。
📌 まとめ
- 月16,000円×16年=約307万円払って、戻りは約325万円。+18万円は年利換算で約0.7%
- 額面プラスでも、インフレ1.7%の世界では実質目減りしてた
- 保障と運用のセット商品は、どっちも中途半端になりがち。分けて考える
- 判断基準は「解約で損するか」やなく「今日この商品を新規契約するか」
- 解約金は民泊の開業資金に。稼ぐ力への投資という選択肢もある
16年の答え合わせで学んだこと:「何かやってる安心感」と「お金が働いてること」は、別モンや。
※ この記事は私個人の体験談です。保険の解約はご自身の保障状況・税金・返戻率を確認のうえ判断してください。私は金融の専門家ではありません。特定の商品の解約や購入をすすめるものではないです。
で、毒キノコを16年育てた感想は?
育てるなら、食えるキノコにしとき。





