どうも、とんマヨです。大阪で民泊を運営しながら、このブログを書いています。

去年の春、長期滞在のゲストにリビングのガラステーブルを割られました。正確には、ヒビが入りました。修理代として21,998円を請求しています。

この件、じつは以前このブログで「請求の正しい順番」として記事にしています。えらそうに手順を解説したやつです。

その記事を書いた本人が、次の案件で見事に踏み外しました。しかも二重に。

とんマヨ
とんマヨ

保険会社の返事を待っとったら、待っとったんは向こうやった

ちめん太
ちめん太

手順を記事にした人が、その手順で転ぶのはなかなか高度な芸ですね。

そして今日、保険会社から査定のための質問が8個まとめて届きました。これが想像の3倍しんどかったので、全部そのまま公開します。

先にお断りしておきます。この記事の時点で、保険金はまだ1円も受け取っていません。査定はこれからで、支払われるかどうかも、いくらになるかも決まっていません。この記事は「もらえた話」やなく、「もらうために何を出せと言われたか」の記録です。

🧾 「保険の結果待ち」やと思っていた8日間

まず前提の整理です。日本の物件でゲストに備品を壊されたとき、ホストが使える道は大きく2つあります。

ちなみに備品を壊されるのはこれが初めてやありません。72時間でガラステーブルを割られて掃除機をヘシ折った話も書いています。今回はその続編みたいなもんです。

  • AirCover——Airbnbの補償。問題解決センターでの請求が入口
  • 日本ホスト保険——日本の物件向けの保険。審査するのは損害保険会社

この2つは別物です。そして大事なのは、後者は自分で申請しないと1ミリも進まないということ。

わたしはここを誤解していました。問題解決センターに請求を出し、ゲストに断られ、Airbnbのサポートから案内メールが届いた時点で、「あとは審査の結果を待つだけや」と思い込んだんです。

実際には、そのメールにはこう書いてありました。「事故報告フォームを7日以内に提出してください」

待っていたのはわたしやなく、向こうでした。8日放置したところで「未提出のため一旦終了します」という通告が届き、あわてて提出して復活させています。

ちめん太
ちめん太

案内が来た=こっちの番、なんですね。

とんマヨ
とんマヨ

『ご案内します』って書いてあったら、案内されて終わりやと思うやん……

ちめん太
ちめん太

思いません。誰がボールを持っているかは、メールを最後まで読めば書いてあります。

ここが1つ目の教訓です。保険関係のメールは「期限」と「誰の番か」だけ先に探す。本文の丁寧な日本語に安心してはいけません。

📮 保険会社から来たのは、答えやなく質問8個やった

フォームを提出して数日。保険会社の担当者から連絡が来ました。件名を見た瞬間、「お、審査結果や」と身構えたんですが、開いたら中身は質問状でした。

冒頭にはこう書かれています。要約するとこうです。

  • 補償の基本は、壊れた箇所の原状復旧
  • 支払いは時価額を超えない範囲で判断する
  • 全額が認められるとはかぎらない
  • 査定のため、いろいろ質問と資料提出をお願いすることになる

ここを読んだ時点で、正直ちょっと血の気が引きました。時価額。中古で買うたテーブルの話をしているのに、その単語が出てくるということは、そういうことです(詳しくは第5章で)。

とんマヨ
とんマヨ

審査結果やと思って開いたら、面接やった

ちめん太
ちめん太

むしろ良い知らせです。質問が来た=門前払いされていないということですから。

🔍 実際に聞かれた8項目を、全部そのまま出します

では本題。実際に届いた8項目です。同じ立場になった人がいちばん知りたいのはこれやと思うので、要点をそのまま並べます。

#聞かれたことつまり何を確かめたいのか
1許可証上の事業者名と、Airbnbのアカウント名の関係名義が違うなら、その2つが同じ人かどうか
2物件は所有か賃貸か。賃貸なら契約書を出せその物件を使う権利が本当にあるのか
3壊れた物の持ち主は誰か他人の物の損害を請求していないか
4ゲストからの支払いは本当にゼロか。やり取りの画面も出せ二重取りになっていないか
5なぜそのゲストのせいだと判断したのか犯人が特定できているか
6チェックイン直近直前の状態の写真を出せ泊まる前から壊れていた可能性を消せるか
7壊れた物の購入時期・価格・購入先と領収書そもそもいくらの物だったのか
8宿泊業の許可証の写しそもそも合法に営業しているのか

並べてみると、質問の設計が見えてきます。1・2・8は「あんた誰やねん」、3・4は「二重取りやないやろな」、5・6は「犯人はほんまにそのゲストか」、7は「いくらの物やねん」。

感情の入る余地がゼロで、いっそ気持ちがいいくらいです。

ちめん太
ちめん太

とんマヨさんの『めっちゃ悲しかったです』は1文字も評価されないということですね。

とんマヨ
とんマヨ

……せやな。

ちなみに8番には少し厄介な事情がありました。うちは事故の翌日に民泊の区分が切り替わっているんです。事故日に有効やった許可と、いま有効な許可が違う。

こういうときは両方出して、時系列を自分から説明するのが正解やと判断しました。隠して後から日付を突き合わされるのが、いちばんまずいので。

📸 「事故前の写真はない」——そう思い込んでいた

8問のなかで、いちばん効くのが6番です。

質問文には注記がついていて、要約するとこう書いてあります。「ゲスト本人がやったと認めていない場合は、チェックイン直前に壊れていなかったことを写真で示す必要がある」

うちのゲストは、正直な人でした。退去前日に自分から「テーブルクロスを外したらガラスにヒビがあった」と申告してくれています。隠そうと思えば隠せたのに、です。

ただし——「自分が割った」とは言っていません。実際のメッセージはこうでした。

「以前からあったのかどうか、思い出せません(あったのだといいのですが)」
「滞在中ほとんどクロスを掛けていたので、あったかどうか記憶にないんです」
「家具を乱暴に扱ってはいないことは、はっきりさせておきたいです」

つまり自認なし。ということは、写真が要る。

ほんで、わたしはこの案件をずっとこう記録していました。「事故前の写真がないのが唯一の弱点」と。

とんマヨ
とんマヨ

そこや! ワイが前に書いた記事に『勝敗を分けるのは事故前の写真』ってデカデカと書いてあんねん!

ちめん太
ちめん太

書いた本人が持っていないんですか。

とんマヨ
とんマヨ

持ってへんと思い込んどった。

ここで、ようやく話がひっくり返ります。

証拠を集めるために自分のスマホの写真フォルダをさかのぼったところ——チェックインの3日前に撮った室内写真が、普通に残っていました。

次のゲストを迎える準備で撮ったものです。リビングの真ん中に、あのガラステーブルが写っている。天板はきれいなまま。撮影日時もデータに記録されている。

無かったのではなく、探していなかっただけでした。

ちめん太
ちめん太

弱点として記録まで残していたのに。

とんマヨ
とんマヨ

自分で自分に呪いをかけとった。

2つ目の教訓です。「証拠がない」と思ったら、まず自分の写真フォルダを日付で掘る。備品を撮ろうとして撮った写真だけが証拠やありません。何かのついでに写り込んだ1枚で足りることがあります。

💸 中古1万円のテーブルに、2万円は出るのか

さて、ここからは期待値の話です。あまり明るい話やありません。

7番で聞かれているのは、買い替えた新しいテーブルの値段やなく、壊れた古いテーブルの値段です。ここが重要です。

うちのケースの数字はこうなります。

項目金額
壊れたテーブルの取得額(中古・他の物とセット)10,300円
ガラス天板だけをオーダーで作り直した場合20,000〜30,000円
+採寸・配送・処分費/納期1〜3週間
実際に買った代替テーブル(新品・即日)21,998円

保険会社の原則は「原状復旧」かつ「時価額を超えない範囲」。これを素直に当てはめると、中古1万円の物に2万円は出ないという結論になりそうです。

ちめん太
ちめん太

じゃあ最初から諦めですか。

とんマヨ
とんマヨ

いや、そこは1個だけ言い分がある。

言い分はこうです。本来の原状復旧、つまりガラス天板を作り直すほうが高い。2〜3万円かかるうえに納期が1〜3週間。

そして、うちは2日後に次のゲストのチェックインが入っていました。ヒビの入ったガラスのまま迎えるわけにはいきません。

だから即日買える21,998円の代替品を選んだ。これは損害を大きくしないための選択であって、贅沢をしたわけやない——という主張です。

これが通るかどうかは、正直わかりません。この記事を書いている時点で、査定の結果はまだ出ていません。満額は厳しいやろな、というのが自分の見立てです。

ちめん太
ちめん太

希望的観測を書かないのは、めずらしく偉いですね。

とんマヨ
とんマヨ

結果が出てから続編を書くほうが、記事が2本になるからな。

ちめん太
ちめん太

動機が不純です。

🗂 証拠13点をそろえて、メール3通で送った

最終的に用意した資料は、全部で13点になりました。内訳はこうです。

  • 賃貸借契約書(質問2)
  • 問題解決センターの画面3枚——請求額と、支払いゼロで終了していること(質問4)
  • ゲストとのやり取り4枚——申告、こちらの返信、請求の事前案内、それへの返答(質問4・5)
  • チェックイン3日前の室内写真(質問6)
  • ヒビの写真(ゲストが送ってくれたもの)
  • 帳簿の記録——中古購入で領収書がないため、代わりの証憑(質問7)
  • 許可関係の書類2点——事故日時点のものと、現行のもの(質問8)

実務的なコツをひとつ。添付は1通に5枚までに割って、3通に分けて送りました。大量の添付を1通に詰めると、メールが弾かれることがあるからです。

契約書のPDFが15MBあったので、これは中身を圧縮して5MBまで落としました。

ちめん太
ちめん太

領収書がないのは、まずくないんですか。

とんマヨ
とんマヨ

まずい。けど、無いもんは無い。

壊れたテーブルは、地元の掲示板サービス経由でリサイクルショップから現金で買ったものでした。領収書はなく、サイト上の取引履歴も残っていません。

そこで、帳簿の記録を証憑として出すことにしました。取引日・取引先・金額・「現金購入で領収書なし」という但し書きまで、当時のまま残っていたからです。

これも数年前のわたしなら詰んでいた場面です。帳簿を真面目につけていたことが、思わぬところで効きました。

📌 まとめ——保険は「入ってるか」より「出せるか」

それでは、まとめです。

  • AirCoverと日本ホスト保険は別物。後者は自分で申請しないと1ミリも進まない
  • 保険会社のメールは「期限」と誰がボールを持っているかを先に探す
  • 査定で最強の一枚はチェックイン直前の写真。ゲストが自認していない場合は、ほぼこれで決まる
  • 「証拠がない」と思ったら、自分の写真フォルダを日付で掘る。ついでに写り込んだ1枚で足りることがある
  • 請求できるのは新品の値段やなく壊れた物の時価。ただし「原状復旧より安い代替品を選んだ」は主張できる
  • 領収書がなくても、帳簿の記録が証憑になりうる

保険は「入っているか」より、事故が起きた日に、証拠を出せる状態にしてあるかで決まります。そして証拠は、事故が起きてからでは作れません。

うちは今回の件で、清掃のたびに室内を撮る運用に変えました。全部屋・水回りまで、決まった枚数を必ず撮る。清掃スタッフさんにも入室直後の撮影をお願いしています。

面倒くさいです。でも、今回わたしを救ったのが「何かのついでに撮った1枚」やったことを考えると、この面倒くささには意味があります。

ちめん太
ちめん太

それで、査定の結果はいつ出るんですか。

とんマヨ
とんマヨ

わからん。出たら続編を書くわ。

ちめん太
ちめん太

満額出なかったときも、ちゃんと書いてくださいね。

とんマヨ
とんマヨ

そら書くわ。うまいこといった話だけ書くブログほど、役に立たんもんはないからな。

同じ状況で戦っている方の役に立てば幸いです。結果が出たら、この記事に追記します。


SONY|ソニー VLOGCAM ZV-1F 超広角単焦点レンズ一体型カメラ ホワイト