どうも、とんマヨです。関西で民泊を運営しながら、このブログを書いています。
民泊で使っている事業用の火災保険(三井住友海上の「ビジネスキーパー(事業活動総合保険)」)の、更新の案内が届きました。去年と同じ内容で、保険料は19,260円から37,570円になっていました。ほぼ2倍です。
補償の中身は、ほとんど変わっていません。変わったのは金額だけでした。代理店に電話で理由を聞くと、別の問題が見つかりました。
2倍て。うちの宿、去年から2倍燃えやすなったんか?
建物は去年と同じですよ。変わったのは保険料の表です。
ほな、表のほうを燃やしたい。
🧾 更新の案内を開いたら、保険料がほぼ2倍でした
届いた案内の内訳は、2行だけでした。
| 補償 | 保険金額 | 年間の保険料 |
|---|---|---|
| 建物の中の設備・什器(家具や家電) | 100万円 | 36,050円 |
| 借家人賠償・修理費用(借りている建物を壊したとき) | 1,000万円まで | 1,520円 |
| 合計 | 37,570円 |
保険料のほとんどは、設備・什器の100万円の枠でした。大家さんへの賠償と修理費用の枠は、1,520円しかかかっていません。
開業してからの事故は2件あります。どちらも、36,050円の枠からはお金が出ていません。
| 事故 | どうなったか |
|---|---|
| ゲストがガラスのテーブルを割った | 破損の免責が5万円なので、この保険は出ない。Airbnb側の請求で対応した |
| キッチンの扉が割れていた | 建物側の傷なので、修理費用の特約のほうで相談する |
新しい保険料の96%は、開業してから一度も使っていない枠の分ということになります。
🔍 申込書に書いてあった「高くなった理由」
申込書の細かい欄に、保険料が高くなる材料が並んでいました。
- 建物の区分が一番高い:木造で、耐火の基準が確認できない建物
- 建築年が「不明」
- 風の災害と水の災害のリスク区分が、どちらも一番高い
- 民泊用の料率そのものの引き上げ
建築年は、正確には分かっていません。はっきりさせれば安くなるかと考えましたが、調べると逆でした。火災保険の区分は「木造か耐火か」で決まり、築年はあまり関係がありません。古いと分かって上がることはあっても、下がる見込みは薄いので、触らないことにしました。
ほな「築5年です」って書いといたらええやん。
それは告知の嘘です。事故のときに保険金が出なくなります。
……「不明」のままにしときます。
📞 代理店に電話して、5つ聞きました

聞きたいことを5つ書き出してから、代理店に電話しました。返ってきた答えはこうです。
| 聞いたこと | 答え |
|---|---|
| 大家さんへの賠償(借家人賠償)はいくらまでか | 1,000万円まで |
| 2年、3年の長い契約にできるか | 民泊は1年契約だけ |
| 設備・什器を50万円に下げたら安くなるか | 最低100万円。下げられない |
| 隣の家に燃え移ったとき、ゲストがけがをしたときの賠償は付いているか | どちらも付いていない |
| 賠償を特約で足せるか | 付けられないようだった |
値上げの理由は「民泊用の保険が値上がりしたため」という説明だけでした。あとで、免責は5万円という連絡ももらいました。
一番驚いたのは4つ目です。民泊で起きたら一番大きくなりそうな事故、つまり隣の家への類焼とゲストのけがには、この保険では1円も出ません。
ワイ、1年間、保険に入っとるつもりで寝とったんか……。
入ってはいます。燃えた家具は100万円まで出ます。
🤖 AIに相談したら、最初の案はすぐに否定されました
最初にAIと出した結論は「火災保険だけで更新して、ほかは入らない」でした。理由は2つです。隣への類焼は、法律で原則として賠償しなくていいこと。ゲストのけがは、Airbnbの保険が出ること。
念のため、同じ質問を3つのAIに投げました。Gemini、民泊に詳しいAI、ChatGPTです。答えは3つとも同じで、わたしの最初の案は否定されました。
- 賠償が要る事故は、火事だけではない:洗濯機のホースの水漏れ、取れた棚でゲストがけが、階段で転倒。どれも火事ではありません
- Airbnbの保険は、Airbnb経由の予約でしか出ない:日本では「日本ホスト保険」(最大1億円)が付きます。ただしBooking.comや直接の予約では出ません。Airbnb自身も「ホストの賠償保険の代わりにはならない」と書いています
- 賃貸借契約書の条件を満たしていない可能性がある:これは次の次の章で書きます
もう一つ、ChatGPTが教えてくれたことがあります。Booking.comにも、ホスト向けの無料の賠償保険(パートナー賠償責任保険)があるそうです。管理画面で確認すると、うちの宿はすでに「加入中」になっていました。Booking.com経由の滞在中なら、1件あたり100万ドルまで出ます。こちらもBooking.com経由の予約だけが対象です。
🙋 失火責任法があるなら、隣への賠償はいらないのでは?
ここは、自分でも最初に考えたことなので、反対側の意見として書いておきます。
失火責任法という法律があります。火事を出しても、重大な過失がなければ、燃え移った隣の家への賠償責任は負わない、という内容です。日本の木造の密集地で、1軒の失火で町内全部を弁償させるのは無理だから、という考え方だそうです。
ただ、この法律で守られるのは「隣の家への類焼」だけでした。次の3つには効きません。
- 大家さんへの責任:借りている家を燃やしたら、大家さんには返す約束が守れなかった責任が残ります。これが借家人賠償の枠です
- 火事以外の事故:水漏れで下の階をぬらした、ゲストが転んでけがをした、など
- 重大な過失と判断されたとき:どこからが重大な過失かは、事故のあとで決まります
ほな、火事さえ出さんかったらええんやろ。
洗濯機はゲストが毎日回しています。
📜 賃貸借契約書を読み直したら、答えが書いてありました
最後に、家の賃貸借契約書を読み直しました。保険の条項は2か所にありました。
- 本文:借家人賠償の特約が付いたテナント保険に入り、保険証券の写しを大家さんに出すこと。更新したら、また写しを出すこと
- 特約:「民泊営業に適した火災保険および賠償責任保険」に入ること。火災保険に入っていなかったことで損害が出たら、全額借主の負担
「および」なので、火災保険だけでは足りません。賠償責任保険だけに乗り換えるのも、契約違反になります。どちらも要る、と契約書に書いてありました。
契約したときに受け取った書類ですが、保険の条項をきちんと読んだのは今回が初めてでした。
🧮 最後に選んだ組み合わせ

候補は3つになりました。
| 組み合わせ | 年額 | 中身 |
|---|---|---|
| 民泊専用の保険(民泊運営安心サポートパック)に乗り換え | 60,500円 | 火災と賠償が1本。ただし第三者への賠償が付くかは、許可の種類で条件あり |
| ビジネスキーパー+日本民泊協会(JAPA)の民泊保険 | 37,570円+32,000円 | 火災は今のまま。賠償は協会の会費に保険料が込み |
| ビジネスキーパー+全国民泊同業組合連合会(jasmin)の民泊賠償 | 37,570円+25,000円 | 賃貸で50㎡以下の枠。審査なし |
火災保険は、電話1本で更新しました。書類のやりとりもなく、あっさり終わりました。賠償のほうは、日本民泊協会(JAPA)か全国民泊同業組合連合会(jasmin)の保険を足します。jasminのほうが7,000円安いので、条件が合うかを問い合わせているところです。
民泊を10軒運営している先輩の投稿に、「4軒目まではJAPAの保険」と書いてありました。一括見積もりで細かく比べる方法もありますが、軒数が増えて交渉できるようになってからにします。
保険にかかるお金は、JAPAなら年69,570円、jasminなら年62,570円になります。去年の19,260円の3倍以上です。そのかわり、ゲストや近所の人へのけが・物の損害に、ようやく賠償の保険が付きます。どこまで出るかは、入る前に約款で確かめます。新しい保険証券が届いたら、写しを管理会社に出します。
ゲストが物を壊したときの請求の流れは、ふすまを破られたときの記事に書いています。ガラスのテーブルの件で保険会社に聞かれたことは、査定で聞かれた8つの質問にまとめました。Booking.comの予約の話は、予約ゼロで値下げを思いとどまった話にあります。
📌 まとめ:保険料より先に、中身を聞く
- 事業用の火災保険が更新で19,260円から37,570円に。ほとんどが設備・什器100万円の枠で、最低額なので下げられない
- 電話で聞いたら、隣への類焼とゲストのけがの賠償が付いていなかった。Airbnbの保険はAirbnb経由の予約だけ
- 賃貸借契約書には「火災保険および賠償責任保険」。火災保険は続けて、賠償は民泊の団体の保険で足す
保険料が上がったときは、金額の理由より先に「何が付いていて、何が付いていないか」を電話で聞きました。うちの場合は、付いていないものが一番大きな事故でした。
よっしゃ、これで何が起きても安心や。
免責が5万円あります。5万円までは自腹です。
……ガラスのテーブル、また割れても出えへんやん。




