どうも、とんマヨです。大阪で民泊を運営しながら、このブログを書いています。
このリポート、実は1か月ほどお休みしていました。言い訳をすると、2軒目の物件探しとあれこれで手が回らんかったんです。
その間に、8月の訪日客の数字が出ました。見て、ちょっと固まりました。
前年より1割減っています。
1割!? ほなうちの宿も1割減るん? 秋の値段、全部下げなあかんのちゃう?
落ち着いてください。減ったのは主に1つの国だけです。ほかの国はむしろ増えてます。
ほな上がっとるんか下がっとるんか、どっちやねん。
両方です。今回はそこを分けて見ていきましょう。誰が減って、誰が増えたかです。
🌏 8月の訪日客は310万人。1割減った
日本政府観光局(JNTO)が9月16日に出した推計値によると、2026年8月の訪日外客数は309万8,900人。前年同月比で9.6%減でした。
1〜8月の累計も2,762万人で、前年より2.7%少なくなっています。
ただ、国ごとに見ると景色がまるで違います。
| 国・地域 | 8月の人数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 韓国 | 85万500人 | +28.7%(8月として過去最高) |
| 台湾 | 66万6,000人 | +7.3% |
| 中国 | 41万8,000人 | −59.0% |
| 香港 | 24万7,300人 | +9.4% |
| 米国 | 19万7,400人 | +1.5% |
出典:JNTO 訪日外客数(2026年8月推計値)/やまとごころ.jp
中国だけで、前年から約60万人減っています。全体の減り方(約33万人減)より大きいんです。
つまり中国を除くと、訪日客はむしろ増えているということです。JNTOも「14市場で8月として過去最高」と書いています。
中国の減少は、中国政府が去年の11月から出している日本への渡航自粛の呼びかけが続いているためです。
韓国が3割増しか。そういや最近、韓国のお客さん多いなあ思てたんや。
思てただけでなく、数字でもそうでした。ちなみに1〜8月の累計で韓国は742万人。もう中国の2.5倍です。

✈️ 関空は9か月連続のマイナス
空港の数字も同じ向きです。
関西エアポートの発表(9月25日・共同通信配信)によると、8月の関西空港の国際線旅客は約207万人で、前年比19%減。これで9か月連続の前年割れです。理由は中国路線の減便とされています。
その前の月、7月の方面別を見ると、中身がよく分かります。
| 方面(7月) | 前年比 |
|---|---|
| 中国 | −63% |
| 韓国 | +36% |
| 台湾 | +11% |
| 香港・マカオ | +23% |
関空は、中国便の割合がもともと大きい空港です。そのぶん、全国より落ち方がきつく出ます。
民泊ホストとして気をつけたいのは、「関空の数字が悪い=うちの客が減る」とは限らんということです。韓国や台湾からの便は増えていますし、家族やグループで一軒家を借りるお客さんは、もともと中国以外の国が多いんです。
🏨 ホテルは「万博の年」と比べられて苦しい
ホテルの数字は、見た目がかなり悪いです。
観光庁の宿泊旅行統計によると、2026年5月の大阪府の客室稼働率は72.8%。全国2位の高さですが、前年からは9.2ポイント下がっています。延べ宿泊者数も約2割減りました。
ホテルバンクの集計では、7月の大阪のビジネスホテルの平均単価(ADR)は1万3,142円で、前年比20.8%減です。
ただし、これには大きな落とし穴があります。比べとる去年は、万博の真っ最中なんです。
前にVol.4でも書きましたが、「前年比」は今年に限っては「万博比」です。万博の前の年(2024年)と比べると、落ち方はずっと小さくなります。
去年がお祭りやっただけで、今年が悪いわけやないってこと?
半分はそうです。ただ、残り半分は本当に中国のお客さんが減った分です。両方混ざってるので、前年比の数字だけで慌てんほうがええです。
🏠 民泊:大阪市の旅館業条例が9月30日に決まる
今月いちばん大事なニュースは、たぶんこれです。
大阪市の旅館業条例を変える案が、9月の市議会にかけられています。9月30日の本会議で決まり、10月30日から施行される予定です。
主な中身は3つです。
- 住居がある建物で旅館業をやるなら、鉄筋コンクリート造などに限る(同じくらい音が漏れにくいと市が認めれば例外)
- 宿泊者がいる間は、営業者か従業員が施設に常駐する
- 近所に知らせる必要がある施設の広さを、33㎡から200㎡に広げる。知らせる中身に騒音対策と緊急時の対応も入る
施行より前に届け出た施設は、古い基準で審査されます。ただ、常駐の義務だけは、今ある施設にも10月30日からかかる予定です。
特区民泊の新規受付は、今年5月にすでに止まっています。そこへ旅館業のハードルも上がる。大阪市内で新しく宿を始める道は、かなり細くなります。
今やっている側から見ると、「これ以上、競合が増えにくくなる」という意味もあります。ただ、自分の宿の形(特区民泊か、旅館業か、新法民泊か)によって、どこまで関係があるかは違います。うちもどこまで対象になるのか、条例の原文で確かめている最中です。

💴 利上げしたのに、円は戻らんかった
為替も動きました。
9月上旬、ドル円は160円近くから一時154円台まで円高に振れました。155円を割るのは2月以来です。
そして9月17〜18日、日銀が0.25%の利上げを決めました。政策金利は1.25%です。
普通なら、利上げで円は強くなりそうなものです。でも実際は、市場が予想していた分、発表のあとは逆に円安へ戻りました。
燃油サーチャージは、9〜10月の発券分で値下げされています。韓国方面で片道5,900円(JAL)、東アジア方面で1万2,400円(同)です。近い国から来やすい状況は、この秋も続きそうです。
円安のままで、飛行機代も下がったんやったら、韓国と台湾のお客さんは来やすいままやな。
そうです。為替より、近い国の連休のほうが効きます。韓国は9月24〜26日が秋夕の連休でした。
🤔 「中国が戻れば、全部戻る」は本当か
ここで、よく聞く意見にツッコミを入れておきます。
「中国の渡航自粛が明けたら、全部元に戻る」という意見です。
たしかに、中国のお客さんが戻れば数は増えます。去年の水準なら、月に60万人くらいの上乗せになります。
でも、宿の値段まで去年に戻るかというと、わたしは疑っています。理由は2つあります。
1つ目。この1年で、ほかの国のお客さん向けに宿の側が変わったことです。韓国・台湾の家族連れや、欧米の長期滞在の人に合わせて、写真や説明を作り直した宿は多いはずです。中国が戻っても、その人たちがいなくなるわけではありません。
2つ目。宿の数そのものが増えていることです。万博に向けて増えた部屋は、万博が終わっても残っています。お客さんが戻っても、部屋も多いままです。
逆に言うと、「中国が戻るまで待つ」のは作戦になりません。戻るかどうか分からんものを待つより、今来ている国のお客さんに合わせて値段を決めるほうが確実です。
ちなみに、中国の航空会社は日本路線の無料キャンセルを10月24日まで延ばしています。10月の国慶節の連休(最大13連休)も、人気の行き先は欧米やオーストラリア、韓国だと言われています。
なんや、中国が戻ってきたら一発逆転、て期待しとったのに。
一発逆転を待つのは、宝くじを事業計画に入れるのと同じです。
📌 まとめ:秋は「中国抜き」で値段を決める
- 8月の訪日客は前年比9.6%減。ただし減ったのはほぼ中国(−59%)だけで、韓国は8月として過去最高
- 関空は9か月連続マイナス。中国便の割合が大きい空港なので、全国より落ち方がきつく見える
- ホテルの前年比は「万博比」。数字の半分は去年がお祭りだった反動
- 大阪市の旅館業条例は9月30日に決まる予定。新しく宿を始める道は細くなる
- 利上げでも円安は続き、近い国のお客さんは来やすいまま。「中国が戻るまで待つ」は作戦にならん
うちの宿も、秋の連休は強めの値段で置いています。近所の同じくらいの一軒家が連休でも大きく値引きしていて、正直ちょっと怖いんですが、今のところ予約は入っています。
10月30日の条例の施行と、10月中旬に出る7〜9月の消費額。次はこの2つを見にいきます。
よっしゃ。ほな秋は韓国と台湾のカレンダー見ながら値段決めるわ。ワイ、秋夕って今日初めて知ったけど。
去年も同じこと言うてました。
……覚えとってくれてありがとう。
カレンダーに入れときましょう。来年はワイが言う前に思い出してください。





