どうも、とんマヨです。関西で民泊を運営しながら、このブログを書いています。
うちの宿は、鍵の受け渡しをキーボックスでしています。玄関の近くに、ダイヤルの暗証番号で開く小さな箱があり、中に部屋の鍵が入っています。ゲストは番号を合わせて鍵を取り出し、帰るときに鍵を戻して箱を閉めます。
わたしが現地に行かなくても、チェックインとチェックアウトが回る。民泊を副業で続けられているのは、この小さな箱のおかげでもあります。
先日、その箱が開かなくなりました。しかも、ゲストが部屋の中に忘れ物をした、まさにそのタイミングで。
ワイの宿のキーボックスは優秀やで。文句ひとつ言わずに毎日働いとる。
その箱、いま開きますか?
開くに決まっとるやろ。番号を合わせたら……
……開かへん。
文句は言わない代わりに、仕事もしなくなったようです。
結論から言うと、予備の箱にもう1本、鍵を常に入れていたので乗り切れました。ただ、同じことを繰り返さないために、再発防止策を考えました。まだ全部は片づいていないので、途中経過として書きます。
🎒 チェックアウトのあとに「忘れ物をした」と連絡が来た
連絡が来たのは、ある連泊のゲストがチェックアウトした日の昼前でした。Airbnbのメッセージに、こう届きました。
「バックパックを中に忘れてしまいました。鍵を戻して閉めたあとに気づきました」
ここまではよくある話です。番号をもう一度合わせて鍵を出し、取りに入ってもらえば済みます。ところが、5分後に次のメッセージが来ました。
「なんとか中に入れないでしょうか? 番号が使えません」
伝えてある番号で、箱が開かないというのです。鍵は箱の中。バックパックは部屋の中。ゲストは玄関の前。全部が「中」にあって、人だけが外にいる状態です。

中に鍵、中にカバン、外にゲスト。どこから手ぇつけたらええねん。
手をつける場所は1つです。もう1個の箱があるでしょう。
🧰 予備の箱に、もう1本鍵を入れてあった
うちの宿には、ふだん使っているキーボックスとは別に、予備の箱をもう1つ置いてあります。中には予備の鍵が1本、いつも入れたままにしています。番号も別で、ゲストにはふだん知らせていません。
今回は、この予備の箱の番号をメッセージで伝えました。返事が来たのは、最初の連絡から30分ほどあとです。
「うまくいきました。バックパックを出して、忘れ物がないか確かめて、もう一度鍵をかけました」
鍵を戻して施錠するところまで、ゲストが自分でやってくれました。わたしは家から一歩も出ていません。
| 予備の箱がなかったら | 予備の箱があったので | |
|---|---|---|
| ゲスト | 鍵屋さんか誰かが着くまで、玄関の前で待つ | 30分ほどでバックパックを回収 |
| わたし | 現地へ向かうか、駆けつけを頼む | メッセージで番号を送っただけ |
| お金 | 駆けつけや開錠の費用がかかる | 0円 |
予備の箱を置いたのは、開業するときに「鍵をなくされたらどうするか」を考えたからです。まさか、鍵をなくされる前に、箱のほうが開かなくなるとは思っていませんでした。
ちなみに、予備の箱の場所や番号はここには書きません。書いた瞬間に「予備」ではなくなるので。

🔍 なぜ開かなくなったのか
そのあと、清掃をお願いしている方にも現地で確かめてもらいましたが、やはり伝えてある番号では開きませんでした。
ゲストは「番号は変えていない」と言っていました。チェックインのときから、ふたが閉まりきらない感じがあったそうです。
いや、ゲストが番号いじったんちゃうか? そうに決まっとる。
たぶん、そうだと思います。
ほら見てみい。
ただ、いじるように書いてあったのは、うちのチェックアウト案内です。
……「最後に番号を0000に合わせてください」のやつか。
うちのチェックアウト案内には、「鍵を戻したら、最後にキーボックスの番号を0000に合わせて帰ってください」と書いていました。ダイヤルの数字を回して、外から番号がわからないようにしてほしい、という意味です。
ところが、これが「暗証番号の設定を0000に変えてください」と読まれることがあります。実は前にも一度、番号が本当に0000に変えられていたことがありました。そのときのことは民泊のキーボックス、暗証番号を勝手に「0000」に変えられてましたに書いています。あのあと英語の言い回しを直して、「数字を回すだけで、設定は変えないで」と書き足していました。
それでも、また開かなくなりました。わたしは、今回も同じことが起きたのだと見ています。ゲストは案内どおりにしようとして、気づかないうちに設定を変えてしまった。本人に変えたつもりはないので、「変えていない」と言うのも自然です。
なので、このゲストには何も請求していません。知らせてくれたことと、鍵を戻して閉めてくれたことにお礼を伝えました。あとで★5のレビューもいただいています。
箱が開かなくなった直接のきっかけはゲストの操作かもしれません。ただ、勘違いされるような案内を出していたのは、こちらです。落ち度はうちにもあります。
🌏 案内文は、書いた側の想像どおりには読まれない
今回いちばんの学びはここでした。
日本人どうしなら、「番号を0000に合わせて」と言われて、暗証番号の設定を変える人はまずいません。ダイヤルを回すだけだと、なんとなく伝わります。でも、それは同じ前提を持っている相手だから通じているだけでした。
ゲストの国も、ふだん使っている鍵の仕組みもいろいろです。暗証番号を自分で設定し直すのが当たり前の国から来た人なら、「0000に合わせて」を「設定を0000にして」と読んでも不思議はありません。日本人のわたしには想像もつかない読み方をされることがある、と思っておいたほうがいいようです。
もう1つは、英語の書き方です。うちのゲストの多くは、英語が母国語ではありません。前回の事故のあと、わたしは英語の文を足して、注意書きも足しました。丁寧にしたつもりでしたが、文が長く、複雑になっていました。
英語が母国語ではない人にとって、複雑な英語は伝わらないだけでなく、別の意味に読まれてトラブルのもとになることがあります。「〜しないでください」の注意書きを足すほど、読む量が増えて、肝心の動作が埋もれていきます。
だから今回は、言い方を直すのではなく、誤解のもとになる「0000」という数字そのものを案内から消すことにしました。前回足した「暗証番号の設定は変えないで」の注意書きも、一緒に消しました。「設定」という言葉が出てこなければ、設定をいじろうと思う人も減るはずです。
ほな英語をもっと丁寧に、長う書いたらええんちゃう?
前回それをやって、また開かなくなったんですよ。
丁寧に書いたら負けるんか……。
短く書いたほうが勝つんです。

🔧 今後のために考えた再発防止策
考えた対策は4つです。
| 対策 | 中身 |
|---|---|
| ① 「0000に合わせて」を案内から消した | チェックアウトの案内から0000の文を削除。代わりに「ダイヤルを少し回して、数字をバラバラにしてください」とだけ書いた |
| ② 「カチッと閉める」を書き足した | 「ふたはカチッと音がするまで押して閉める」「閉めたら軽く引いて、開かないことを確かめる」を、ゲスト向けのガイド(4言語)とAirbnbの案内に追加 |
| ③ 清掃のあとにも同じ確認 | 清掃のチェック表の最後に、同じ「カチッ」と「軽く引く」の確認を追加。次のゲストが来る前に気づけるように |
| ④ 箱を、非常用の解錠キー付きに替える | 番号で開かなくなっても、別の鍵で開けられる箱にする |
①は、言い方を工夫するより、間違えようのない書き方にしたほうが早い、という判断です。数字を指定しなければ、設定を変える理由もなくなります。
③は、ゲストだけに頼らないための対策です。閉まりきらない箱を、次のゲストのチェックインの前に見つけられるかもしれません。
④の新しい箱は、ノムラテックの「緊急開錠キー付き」のキーボックスにしました。番号がわからなくなっても、非常用の鍵で開けられます。今回いちばん欲しかったのがこれでした。
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開かなくなった箱のほうは、鍵屋さんに開けてもらう手もありました。調べると、壊さずに開けてもらって1万〜1万6,000円ほどです。新しい箱は5,600円ほどなので、わたしは箱を切って付け替えるほうを選びました。開いたとしても、同じ箱をまた使うのは不安だったからです。
実は、もう1つ検討したものがあります。スマホから遠隔で暗証番号を変えられるキーボックスです。ゲストごとに番号を変えられて、0000の案内もいらなくなります。
ただ、今回は見送りました。理由は3つです。
- 値段がかなり高い。ダイヤル式の箱が何個も買える
- 雨に濡れて壊れる心配がある。箱は屋外に付けるので、電子部品が入っているぶん、故障のもとが増える
- 電池が切れたら開かない。それこそ、今回と同じ状況になる
開かなくなったときに困らないことを優先すると、仕組みがシンプルで、いざとなれば鍵で開けられる箱のほうが合っていると考えました。
スマホで番号変えられる箱、未来やん。それにしよや。
電池が切れた日に、玄関の前でゲストが待つことになりますよ。
……今日みたいにか。
今日みたいに、です。
⏳ まだ終わっていないこと
この記事を書いている時点で、片づいていることと、まだのことがあります。
- バックパックの回収:済み
- 案内文から「0000」を消す:済み
- 次のゲストの入室:ふだんの箱は使えないので、予備の箱で入ってもらう。番号と箱の場所は、写真付きで事前に送った
- 新しい箱への交換:数日後。清掃の方の入る日に、古い箱を切って付け替えてもらう
- 本当に設定が変わっていたのか:まだ確かめていない。切ったあとで中を見れば、わかるかもしれない
今は、予備の箱が本番の箱を代わりに務めている状態です。予備の予備はありません。交換が終わるまでは、少しだけ落ち着かない日が続きます。
交換が終わって、古い箱の中から何かわかったら、追記します。
📌 まとめ
- チェックアウトのあとに忘れ物の連絡。ところが伝えてある番号で箱が開かず、鍵もカバンも中に閉じ込められた
- 予備の箱にもう1本鍵を常に入れていたので、番号を送って30分ほどで回収できた
- 原因は、ゲストが案内の「0000に合わせて」を読み違えて、設定を変えてしまったのだと見ている。勘違いさせる案内を出していたのはこちらなので、請求はしていない
- 異文化のゲストには、想像もつかない読み方をされる。英語が母国語でない人に複雑な英語を書くと、伝わらないどころか誤解のもとになる
- 対策は、0000の文を消す・「カチッと閉める」を書き足す・清掃後にも確認する・非常用の解錠キー付きの箱に替える。遠隔で番号を変えられる箱は、値段と雨・電池のリスクで見送った
鍵の受け渡しを箱に任せるなら、箱は2つ、鍵も2本。そして案内文は、丁寧に長く書くより、間違えようのない短さで書く。
ゲストへの返信をLINEで承認して送る仕組みは、ゲスト返信をAIに下書きさせて、LINEのボタンで送る仕組みの記事に書いています。
予備の箱、えらいなあ。今日からあいつが本番や。
では、その予備の箱の予備はどこにありますか?
……新しい箱が届くまで、ない。
では、届くまで箱にやさしくしてください。
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