どうも、とんマヨです。大阪で民泊を運営しながら、このブログを書いています。
学生の頃、レンタルビデオ屋の入口に置いてあったくじを引いたら、ノートパソコンが当たりました。
当時のわたしはパソコンが欲しくてたまらず、本気で「持ってる運を使い果たした」と思いました。
あれから20年以上経って、ようやく理解したことがあります。あのくじ、たぶん全員当たっていました。
聞いてくれ。ワイ、くじでパソコン当てたことあんねん。
すごいじゃないですか。何本くらい引いたんですか。
1本や。1本で当てた。持ってるやろワイ。
……その話、最後まで聞かせてもらえますか。
🎰 レンタルビデオ屋のくじで、ノートPCが当たった
当時のわたしは学生で、パソコンを持っていませんでした。欲しかったけれど、学生が気軽に買える値段ではありません。
そんなときに、よく行くレンタルビデオ屋の入口に、くじの箱が置いてありました。何かのキャンペーンだったと思います。
軽い気持ちで1本引いたら、当たりました。景品はノートパソコン。
キタ━━(゚∀゚)━━!! ワイの時代きたわ。
その場では「なんでこんな高いもんが当たるんや」と思う余裕もなく、ただ嬉しかったのを覚えています。友達にも自慢しました。運を使い果たした、とすら思いました。
💻 起動した瞬間、雲行きが怪しくなる
家に帰って、さっそく電源を入れます。
まず、OSがWindows Meでした。当時としても、すでに「まあまあ前の世代」という位置づけのものです。
次に、文書を作ろうとして気づきます。Officeが入っていません。
代わりに入っていたのは、名前も覚えていない謎の「Officeっぽいソフト」でした。見た目は似ているのに、保存した形式が微妙に違う。人に渡すと開けない。学生にとっては、それはもう使えないのと同じです。
それ、パソコンやなく「パソコンの形をしたなにか」ですね。
やめたれ。当時のワイはこれでも嬉しかったんや。
それでも当時は、タダでもらったものに文句を言う発想がありませんでした。「まあ、もらいもんやしな」で終わっていたのです。

🔍 なぜタダで配れたのか
大人になってから、ふと思い出して考えました。
なぜ、店はパソコンをタダで配れたのか。
思い返すと、あのくじには続きがありました。パソコンを受け取るときに、データ通信サービスの契約がセットになっていたのです。当時よく見かけた、月額でネットにつなぐタイプのサービスでした。
つまり、こういう構造です。
| 見えていたもの | 見えていなかったもの |
|---|---|
| くじに当たった | たぶん全員が当たっていた |
| パソコンが0円 | 通信契約の月額で回収される |
| 最新機種っぽい | 世代落ち・ソフトは最小構成 |
景品の原価は、通信契約の月額で回収できます。むしろパソコンは「客に契約させるための道具」だったわけです。当たりくじではなく、最初から配るつもりのものだった。
誤解のないように書いておくと、これは違法な商売ではありません。本体を安くして継続課金で回収するのは、いまも普通にあるビジネスモデルです。プリンター本体が安くてインクが高いのも、同じ考え方です。
問題は、当時のわたしが「タダでもらった」と思い込んでいたことのほうです。
いや別に損してへんやろ。パソコンもろてネットも使えたんやから、むしろ得やん。何があかんねん。
損してへんかどうかは、月額と期間を全部足してから言うことです。足しました?
……足してへん。
そこです。得か損かやなく、計算してへんかったのが問題なんです。
ここが本当の落とし穴でした。得だったかもしれないし、損だったかもしれない。わたしは一度も計算していないので、どちらか分からないのです。
📱 20年経っても、同じ形はそこら中にある
この構造、いまも形を変えて生きています。しかも、よく見ると身の回りだらけです。
- サブスクの無料期間——最初の1か月や2か月は0円。解約を忘れた人の月額で回収する
- スマホの実質0円——本体価格を通信料に溶かして、長期契約で取り返す
- AIツールの無料枠——業務に組み込ませてから、有料プランでないと回らなくなる
- ポイント還元のキャンペーン——還元分を取り戻せる利用額まで、こちらが使ってくれる前提
- 無料セミナー・無料相談——本命は、その先で案内される商品のほう
繰り返しますが、どれも悪い商売ではありません。企業も慈善事業ではないので、どこかで回収するのは当たり前です。
怖いのは、受け取る側が「タダだ」と思い込んで、回収される側の計算をやめてしまうことです。
わたしは以前、使っていないカーシェアの月額を半年近く払い続けていたことがあります。あれも「最初は無料だった」ところから始まりました。詳しくは使ってへんサブスクで3,520円損した話に書きましたが、20年前とまったく同じ失敗をしています。
20年かけて、同じところで転んでるだけですね。
成長がないと言うな。傷つくやろ。
🏠 民泊にも「無料」の誘いは来る
民泊を始めてから、この視点が急に役に立つようになりました。事業をやっていると、「無料」で始められるものが本当に多いからです。
たとえば、宿泊予約サイトへの掲載。登録も掲載も0円です。写真を並べて説明文を書くところまで、1円もかかりません。
ではどこで回収されるのか。予約が入ったときの手数料です。これは分かりやすくて健全な形だと思います。予約が入らなければこちらの持ち出しはゼロで、売れたときだけ払う。理にかなっています。
ただし、「無料だから」と何も考えずに増やすと、別のコストが乗ってきます。
- 掲載先が増えるほど、カレンダーの管理とダブルブッキングのリスクが増える
- サイトごとに料金設定・写真・説明文を手で直す手間がかかる
- 手数料率も入金サイクルも違うので、資金繰りの把握が難しくなる
掲載料が0円でも、時間というコストは発生します。ここを計算せずに「無料やから全部載せとこ」とやると、あとで管理に追われることになります。

✅ 「無料」を見たときに確認する3つ
失敗を重ねた結果、いまはこの3つを確認するようにしています。難しいことは何もありません。
1つめ。誰が、どこで儲けているのか。
これが分からないものは、いったん止まります。回収ポイントが見えない話は、たいてい自分が商品側にいます。答えが「あなたの月額です」や「あなたの手数料です」なら、それは健全な取引です。
2つめ。総額を出す。
月額 × 契約期間を、面倒でも一度だけ電卓に入れます。月900円は安く見えますが、2年なら21,600円です。もらった景品の値段と並べたとき、どちらが大きいかは計算しないと分かりません。
3つめ。やめるときのコストを先に調べる。
解約金があるか、いつまで縛られるか、やめる手続きが電話のみか。入口ではなく出口を先に見るのが、いちばん効きます。入るのが簡単で出るのが大変なものは、だいたい出口で儲けが設計されています。
「タダより高いものはない」は、少し正確ではありません。正しくは、タダのものには値札が付いていないだけです。値札を自分で書き出せるなら、無料の話に乗るのは何も悪くありません。
🖥 それでも、あのパソコンには感謝している
ここまで散々な書き方をしましたが、最後に正直なところを書いておきます。
あのパソコン、めちゃくちゃ使いました。
Officeは入っていないし、動きも遅い。それでも、暇な学生にとっては十分すぎるおもちゃでした。当時流行っていたホームページ作成ソフトを触って、意味もなく自分のページを作ったりしていました。誰も見ていないページです。
あれが、わたしが初めて「自分で何かを作って公開した」経験でした。
それから20年以上経って、いまはAIに手伝ってもらいながら、民泊の予約を管理するアプリや、清掃スタッフ用のアプリを自分で作っています。ブログもこうして書いています。
入口は、あの世代落ちのノートパソコンでした。
結局、あのくじは当たりやったんですね。
せやろ。ワイ、やっぱり持ってるわ。
全員当たりです。
元が取れたかどうかは、いまも分かりません。ただ、あそこで何も作らずに終わっていたら、いまの仕事は無かったはずです。回収されたのはお金で、残ったのは触った時間でした。
📌 まとめ
- 学生時代、くじで当たったノートPCは、たぶん全員当選だった。本体はエサで、回収は通信契約の月額
- これは違法でも詐欺でもない。本体を安くして継続課金で回収するのは普通のビジネスモデル
- 問題は「損したこと」やない。一度も計算しなかったこと。得か損かすら、いまだに分からない
- 同じ形はいまも身の回りだらけ。サブスクの無料期間、実質0円、AIツールの無料枠、無料セミナー
- 民泊でも同じ。掲載無料でも、管理の手間とダブルブッキングのリスクという値札が付いている
- 確認するのは3つだけ。誰がどこで儲けるか/総額を出す/やめるときのコストを先に調べる
無料の話に乗るなと言いたいのではありません。値札が見えているなら、乗ってもいい。見えていないまま受け取ると、20年後にこうしてブログのネタにするしかなくなります。
よっしゃ、ほな今日から無料のもんは全部疑うわ。
極端です。疑うんやなく、値札を自分で書くだけでええんです。
ほな手始めに、そこのくじ引いてくるわ。
話を聞いてました?
ThinkPad X1 Carbon 第8世代 Core i5/14型フルHD/Office付き




