こんにちは、とんまよです。

梅雨入りした、とある雨の夜のこと。民泊を運営してる僕のスマホに、滞在中の北欧ゲストから1通のメッセージが届きました。画面を見て、思わず正座しました。今日は、その「匂いクレーム」をどう乗り切ったかの実録でございます。

ある雨の夜、スマホがピコンと鳴った

届いた原文がこれです。

Hello, we noticed a semi strong smell in the apartment mostly on the second floor where we sleep, we understand that it is an old building but the smell was somehow bitter, is there anything we could do to refreshen the air?😌

ざっくり訳すとこう。

「こんにちは。お部屋の、特に寝室の2階で、ちょっと強めの匂いが気になりました。古い建物だとは理解してるんですが、なんというか"苦い"匂いで……。空気をリフレッシュする方法って何かありますか?😌」

……出ましたよ。匂いクレーム。民泊ホストにとって「臭い」は、言われた瞬間に背筋が凍るワードです。設備の故障やったら直したらええ。せやけど「匂い」は目に見えへん。何が原因かも、すぐには分からへん。心がざわつくやつです。

しかもこのゲスト、めちゃくちゃ紳士的やった。「古い建物だとは理解してる(we understand that it is an old building)」て、こっちを気遣ってくれてる。最後に😌の絵文字まで添えて、角が立たんように言うてくれてる。これがまた逆に効く。優しさのボディブローです。

ところで「苦い匂い」てなんやねん

メッセージをもう一回読んで、一個ツッコミたくなりました。"somehow bitter" ── 「なんというか、苦い」。

苦いて、本来は味覚やん。ゴーヤとかコーヒーとかの。匂いに「苦い(bitter)」て、日本語の感覚やとあんまり言わへんやろ。「カビ臭い」「埃っぽい」「ツンとする」とは言うけど、「苦い匂い」はなかなか新鮮です。

これ、英語圏の感覚やと、ツンとして埃っぽい、ちょっと不快な匂いを "bitter" で表現することがあるらしい。日本語でいう「カビっぽい・古い木のにおい」を、向こうの言葉に置き換えたら "bitter" になる、という翻訳の妙やね。

地味やけど面白い発見でした。匂いの表現って、言語によって全然ちがう。日本人が「畳のいい香り」と感じるものを、別の文化の人は "bitter" と表現する。同じ空気を吸ってても、脳の変換が違うんです。クレーム対応しながら、ちょっと言語学者の気分になってもうた。

犯人は、お前だ ── 築古×畳×梅雨の合わせ技

さて、原因を探りました。名探偵よろしく「犯人はこの中におる」と。僕の物件は、築古の木造をリノベした一棟貸し。日本らしさが売りです。せやけど、その「日本らしさ」が今回ばかりは牙を剥いた。犯人はこいつらの共謀でした。

容疑者 何をしたか
築古の木造 長年の木と建材が、湿気を吸うと独特の香りを放つ
雨の湿気をぐんぐん吸い込んで、あの"和の香り"を増幅
梅雨の高湿度 当日は雨。湿度マックスで匂いが立ちやすい最悪コンディション

そう、単独犯やなくて集団での犯行やったんです。ここでハッと気づいた重要なこと。この匂い、日本人の僕はほとんど気にならへん。実家のばあちゃん家でも嗅いだような、慣れ親しんだ香り。でも、人生で畳の匂いを嗅いだことがない北欧の人にとっては、完全に「未知の匂い」なんです。文化の違いって、味とか言葉だけやと思ってたけど、嗅覚にも出る。これは正直、ええ勉強になりました。

実は「畳の香りが苦手」な外国人は、思ったより多い

今回いちばん伝えたいのがこれや。日本人にとって畳のイ草の香りは「リラックスする和の香り」やけど、嗅ぎ慣れてない外国人には「クセの強い匂い」に感じる人が、想像以上に多いんです。今回の北欧ゲストも、まさにこれやったと思う。

どれくらい本気の話かというと、畳の部屋を新しく作るとき、あえてプラスチック製(樹脂)の畳を入れるホストがおるくらい。見た目は畳でも、イ草特有のあの香りがせえへん。匂いクレームのリスクを、素材レベルで根本から潰しにいく作戦やね。それくらい「畳の香り問題」は、インバウンド民泊で地味に効いてくる落とし穴なんです。

そして怖いのが、こういう些細な不快感ひとつが、レビューにダイレクトに響くこと。「全体的には良かったけど、部屋の匂いがちょっと気になった」── たったこれだけで★がひとつ削られることがある。民泊は、その小さな減点の積み重ねが命取りになる世界なんです。

まず最速で「確認します」── 沈黙が一番の敵

ここで、原因究明と同じくらい大事なことを言わせてください。即レスです。

匂いの原因を調べるのに、ちょっと時間がかかる。でもその間、ゲストを沈黙で放置したらアカン。だから僕は、原因が分かる前に、まず一発「確認いたします、少々お待ちください」とだけ返しました。

なんでこれが大事か。想像してみてください。自分が言葉も通じへん海外で、泊まってる宿で困りごとが起きた。勇気を出してホストに連絡した。……なのに、既読もつかへん、返事も来ぃひん。どう思います? 不安で不安で、夜も眠られへんやろ。「この宿、大丈夫か?」と一気に不信感が募る。

ゲストからしたら、解決そのものより先に、「ちゃんと聞いてくれてる」という安心が欲しいんです。だから第一報は中身より速さ。「受け取ったで、対応するで」を秒で返す。これだけで体感の満足度が全然ちがいます。

そして即レスも、結局はレビューに直結する。Airbnbのレビューはほんまにシビアで、審査も厳しい。★5を維持するためのホストの心労は、正直、計り知れへんで。返信が1個遅れただけで「連絡が取りにくかった」と書かれることもある。

だからトップホストは、連絡を見逃さん体制づくりにめちゃくちゃ投資してる。Apple Watchを肌身離さず着けて通知を逃さん人、複数人で24時間体制を組んでメッセージ対応する人、Pushoverみたいな緊急通知アプリを入れて深夜でも強制的に気づける仕組みを作ってる人……やり方は様々やけど、根っこは全部「即レスでレビューを守る」ためや。匂いクレームひとつにここまで本気で向き合うのは、その1通が★を左右するからなんです。

神対応か? 僕がやった返信4ステップ

「確認します」で時間を稼いだあと、原因を特定して打ったのがこの4手です。

手順 やったこと 狙い
① 安心させる 「無害です。日本の古い木造家屋ならではの自然な香りなんです」と前向きに説明 まず不安を消す。ネガティブを文化に変換
② 即効策を出す エアコンの除湿(ドライ)モードを案内 雨の日は窓開けより断然効く
③ 道具を渡す 備え付けの消臭剤の場所を案内、自由に使ってと伝える 「自分で対処できる」感覚を持ってもらう
④ 次の一手も 雨が弱まったら窓を開けて換気を、と提案 先のことまで考えてくれてる安心感

ポイントは、「謝るだけで終わらせへんかった」こと。「すみません」だけ言うてたら、向こうは「で、どうしたらええねん」となる。説明+具体策をワンセットで出す。これでクレームが「解決してくれた体験」に変わります。

封印した一言 ──「日本人は気にしないんですけどね」

ここ、地味やけど大事なポイント。返信を書いてるとき、喉まで出かかった一言がありました。「日本人はこの匂い、気にしないんですけどね〜」……これ、言うたらアカンやつです。

一見「だから心配いりませんよ」のフォローに見える。でも受け取る側からしたら「お前が気にしすぎなだけや」と突き放された印象になる。「気にするあんたが少数派」というニュアンスが、どうしても滲む。

だから僕はこの一言を封印しました。代わりに「日本の古い家ならではの香り」と主語を建物に変えた。ゲストを責めるんやなくて、家の個性として語る。これだけで角が取れる。たった一言の選び方で、印象は天と地ほど変わるんです。

雨の日の換気は「窓開け」より「エアコン除湿」が正解

ノウハウとして一個、声を大にして言いたいのがこれ。匂いがこもったとき、反射的に「窓開けて換気!」と思うやろ。でも雨の日にそれをやると逆効果。湿気を含んだ外気が入ってきて、むしろ部屋がジメる。

正解はエアコンの除湿(ドライ)モード。空気中の水分を抜いてくれるから、匂いの元になる湿気そのものを断てる。海外ゲストはそもそもエアコンに除湿機能があること自体知らんことも多いから、案内してあげるだけで喜ばれます。

結末:クレームは❤️に変えられる

で、肝心の結果はどうなったか。ゲストから返ってきたのは、😊と❤️のリアクション、そしてお礼のメッセージでした。クレームとして始まった会話が、最後は感謝で終わった。これ、ホスト冥利に尽きる瞬間です。

今回の一件で学んだことを、最後にまとめておきます。

  • 畳(イ草)の香りが苦手な外国人は想像以上に多い。プラ畳を入れるホストもおるくらい、インバウンド民泊の地味な落とし穴
  • 些細な不快感ひとつでもレビューに響く。だからこそ即レス・誠実対応で★5を守りにいく
  • 第一報は中身より速さ。「確認します」を秒で返すだけで、ゲストの不安は激減する
  • クレームは「説明+具体策」のセットで、好感度を上げるチャンスに変わる
  • 雨の日の換気は「窓開け」より「エアコン除湿」。
  • 「日本人は気にしない」みたいな比較は封印。主語を建物に変えて角を取る
  • 文化の違いは嗅覚にも出る。自分の"当たり前"を疑う視点を持つ

ピンチはチャンス、とはよう言うたもんで。匂いクレーム一発で、部屋の弱点から言葉の面白さまで学べました。むしろ感謝やね。雨の季節、築古物件で民泊やってる同志のみなさん。ゲストからの「困った」の一報には、何を置いてもまず即レスですよ。ほな、また。

最後に、うちが各部屋に常備してる消臭剤も載せとくな。無香料やからゲストの好みを選ばんし、トイレにも置けて地味に便利やで。

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