こんにちは、とんまよです。

大阪・港区で民泊を運営しています。今日は、開業前に犯した人生最大級の失敗と、そこから生まれた30日間+αの最高のゲストとの物語を書きます。

ホスト初心者の方、これから民泊やる方、必ず最後まで読んでください。価格設定のミスは誰でもやらかします。でも、そのリカバリーの仕方で、ゲストとの関係性が決まります。

ちめん太
ちめん太

今日は最近よう聞く外国人ゲストの話とちゃうやろね。

とんマヨ
とんマヨ

……ワイがホスト1年目で犯した、人生最大級の失敗の話や。

ちめん太
ちめん太

やべぇやつやん。聞こか。

🔴 開業前、初予約のお客さんに『値上げさせて』のメッセージを送った日

時は遡って、2026年の初春。うちの民泊 の開業準備が大詰めだった頃の話です。

Airbnbのリスティングを公開して数日後、記念すべき初予約が入りました。29泊の長期予約、しかも海外からのゲストさん。

「ワイ、ホストになれたんや…!」と感動しながら予約詳細を見ていると——あれ、なんかおかしい。

計算してみる。1泊の単価、29泊分の合計、清掃費、ホストサービス料……。

赤字確定。

そう、開業準備に必死すぎて、価格設定の基本を完全に間違えていたのです。市場相場の感覚もなく、PriceLabs(民泊用の自動価格調整サービス)も未導入。「とりあえずこの値段でええか」と適当に設定した結果、29泊で固定費すら回収できない料金で売り出してしまっていました。

とんマヨ
とんマヨ

赤字確定、膝がガクガクと震えた、なのである。

ちめん太
ちめん太

そら震えるわ。29泊で赤字って、初予約のレベルやないやろ。

悩みに悩んで、ワイが取った行動は——正直に「値上げをお願いするメッセージ」を送ることでした。

Airbnb のメッセージ機能を開いて、震える手で、こんな文面を送りました(実際には英語で送信。以下は日本語訳)。

「こんにちは、ご予約ありがとうございます。あなたを4月にお迎えできることを心から楽しみにしています。

一つ大切なことをお話ししたく、正直にお伝えします。

この物件は私が初めてホストする場所で、あなたの予約は私の最初のブッキングです。本当にありがたく、忘れることはありません。

しかし、ホスト初心者として、私は最初の価格設定を間違えてしまいました。残念ながら、現在の料金では大きな赤字になってしまいます。

非常に難しいお願いで、ご不便をおかけして本当に申し訳ないのですが、29泊の合計金額を、もう少し上の赤字を回避できるラインに調整させていただけないでしょうか。

この価格でも、4月のこのエリアの相場よりは低いです。もしご了承いただけない場合は、心から理解いたします。

キャンセルしていただいても全く構いません。判断にかかわらず、悪意は一切ありません。」

送信ボタンを押した瞬間、心臓が一気に冷えました。

💔 メッセージ送ってから、24時間が地獄だった

送信後、ワイの頭の中はこんな感じでした。

  • 「キャンセルされるやろな……」
  • 「『悪質なホスト』として通報されるかも」
  • 「Airbnbのレビューで★1付けられたら一生ホストできへん」
  • 「そもそも法律的にこれOKなんか……?」

スマホを置いては開き、置いては開き、を繰り返す。返事が来ない時間が、永遠に感じる。

そして24時間後、返信が来ました。

とんマヨ
とんマヨ

通知音が鳴った瞬間、もう手汗びっしょりや。

🌟 紳士的すぎる返事に、画面の前で震えた

返ってきたメッセージは、こんな内容でした(日本語訳)。

「おはようございます、TonMayoさん。

新規事業を立ち上げるのは大変で、難しいこともあると思います。お気持ちは理解しています。

ただ、私たちはあなたの予約を確定した後、24時間以内に大阪の別の予約をキャンセルしました。その物件はもう空きがありません(少し小さかったですが、価格は同じくらいで、近隣エリアでした)。

当初の合意通りの価格で進めていただけないでしょうか。値上げされた金額は、残念ながら私たちの予算をオーバーしてしまいます。

あなたの物件にぜひ滞在したいですし、大阪での1ヶ月をとても楽しみにしています。私たちは過去10年、いくつもの大陸でAirbnbに泊まってきましたが、こういう経験は珍しいです。

ご検討いただき、お互いにとって良い決断ができればと思います。あなたの最初の予約になれて嬉しいですし、ビジネスの成功の第一歩になることを確信しています。

敬具」

読み終わって、画面の前でしばらく動けませんでした。

「拒否」されているはずなのに、文面のどこにも怒りや不満がない。むしろ、こちらの状況を理解し、自分たちの事情を冷静に説明し、最後には「成功の第一歩」と祝福してくれている。

ちめん太
ちめん太

これ、断られてる方なんか応援されてる方なんかわからんやん。

とんマヨ
とんマヨ

これがな、商売やのに「人間」が見える瞬間やってん。

🙇 素直に謝って、元の価格でいくことに決めた

返事を読んだ瞬間、迷いは消えました。

このゲストは、ワイの未熟さを理解した上で、自分たちの事情も伝えて、それでも「成功を祈ってる」と書いてくれている。こちらが値上げをお願いした失礼を、これ以上引きずる方が失礼です。

ワイは即座に、こんな返事を送りました(日本語訳)。

「ご丁寧で正直なお返事、本当にありがとうございます。お時間を取って状況を説明してくださり、心から感謝いたします。

あなたの立場を完全に理解しました。当初の合意を尊重します。価格変更についての話は、これ以上いたしません。

ご不便とご心労をおかけして、本当に申し訳ありませんでした。ご理解と、予約を継続してくださるお気持ち、心から感謝しています。

大阪での1ヶ月の滞在が、快適でスムーズで、楽しいものになるよう、最善を尽くします。

4月にお迎えできることを、心から楽しみにしています。」

すると、すぐにこんな返事が来ました。

「ありがとうございます、TonMayoさん。あなたの判断に感謝します。

実は、これが私たちにとって初めての日本旅行で、大阪を最初の街に選んだことを楽しみにしています。状況に対するあなたのホスピタリティを大切に思っていますし、滞在中は物件を尊重し、大切に使うことをお約束します。

到着の詳細はまた連絡します。事前に必要なことがあれば教えてください。

敬具」

ちめん太
ちめん太

「物件を尊重し、大切に使う」って、滞在前から約束してくれる人おる?

とんマヨ
とんマヨ

おらん。これは出会いとしか言いようがないやろ。

🌸 セブ島から関空、初日本、桜の写真で始まった交流

チェックイン日が近づいてくると、ゲストから連絡が来ました。

「キーボックスのアップデートありがとうございます。日本は初めてなので、桜の季節を少しでも見られたら嬉しいです。フライトは関空に17:00着で、セブから釜山経由(問題ないはず)。19:00頃には物件に着くと思います。当日連絡を取り合いましょう。空港で遅延があれば連絡します。」

セブ島から!?

滞在前の数週間、このゲストはフィリピン(マニラとセブ)を旅していたとのこと。世界中を旅するベテラントラベラー。ワイは海外旅行の経験がほぼゼロなので、もう尊敬しかありません。

お返事に、その日撮ったばかりの近所の桜の写真を添えて送りました。下手くそな写真でしたが、すごく喜んでくれて。

「素晴らしいです!ありがとうございますTonMayo、素敵な写真ですね。桜を見るのが楽しみです。日本に滞在するには本当に素晴らしい時期ですね 😊」

たった1枚の桜の写真で、こんなに会話が弾むとは思っていませんでした。文化交流って、こういう瞬間に始まるんやなと実感しました。

🍞 ローカル飯のおすすめを英語で送ってみた

チェックイン前、もう一つやってみたかったこと。「地元の人が行く、観光地っぽくないローカル飯のおすすめ」を英語でまとめて送ることでした。

送ったのは、こんなお店たち(一部抜粋):

お店特徴
🍞 地元のベーカリー小さなローカルベーカリー、朝食やランチ向け
🍜 手打ちうどんの店手打ちうどん、地元密着の小さなお店
🍣 近所の回転寿司回転寿司、初日本でも頼みやすい
🥩 しゃぶしゃぶ店家族向け、伝統的な和食

すると、嬉しい返事が。

「ありがとうTonMayo、手打ちうどん屋さんを今日マップで見ました、いいお店っぽいですね 😁 — 幸い、たくさんいるので色々食べられそうです。今のところ全部順調、問題ありません 🙂」

「ローカル」を求めてくれるゲストって、ホスト冥利に尽きるんですよ。観光ガイドの定番じゃなく、地元民の日常を体験してもらえるって、民泊の本質やと思います。

💌 1ヶ月後のお別れメッセージで、画面の前で号泣しかけた

29泊が終わりに近づいたある日、ゲストからこんなメッセージが届きました。

「こんにちは、TonMayo — 時間が経つのは早いですね — 大阪での時間を本当に楽しみました。あなたの物件に滞在できたことに感謝しています 😊 — これまでアジアで泊まった中で、一番のお気に入りでした。本当に家にいるような気持ちにさせてくれました — 幸運にも、もう1ヶ月、関西の別の場所で過ごす予定で、もっと探検するのが楽しみです — 滞在中のホスピタリティと助けに、改めて感謝します。」

アジアで一番のお気に入り」。

世界中のAirbnbに10年以上泊まってきたゲストが、うちの民泊 を「アジアで一番」と言ってくれた。値上げをお願いした浅はかなホストを、ここまで評価してくれた。

ちめん太
ちめん太

泣いてるやん。

とんマヨ
とんマヨ

泣くわ!画面の前で読みながら、もう号泣やったわ!

あの値上げ騒動で、もしこのゲストが怒ってキャンセルしていたら——いや、ワイがその後不貞腐れて適当な接客をしていたら——この瞬間は絶対に生まれませんでした。

正直に伝えたこと、相手の返事を受け入れたこと、その後も誠実に向き合ったこと。全部がこの「アジア最高の宿」評価につながったと確信しています。

🌾 退去後も続いた交流:『令和の米騒動』を語ってくる外国人ゲスト

さて、ここからが本記事のオチです。

退去後もこのゲストとは Airbnb のメッセージで時々やり取りしていたのですが、ある日突然、こんな長文が届きました(日本語訳)。

「ところで、お米について。アジア中で色んなスタイルや品種を試したり作ったりするのが本当に楽しかったんです。タイのもち米『khao neow』、フィリピンの『malagkit』みたいな粘り気のあるお米は、カナダには同等のものがないので、作るのが特に楽しかった——」

「カンボジアで『phka rumduol』という、すごく甘い香りのお米を数kg買って——」

信じられないかもしれませんが、日本の白米は他のアジア諸国とは全く違います。独特の『plumpness(ふっくら感)』があって、本当に楽しめます——」

ちめん太
ちめん太

「plumpness」って何やねん、日本米の表現として強すぎるやろ。

そして、メッセージはこう続きます。

「ただ、『令和の米騒動』が早く終わることを願っています 😓 ……予想より米料理を見かけないと感じていて、今の高い価格のせいだと思います——東南アジアでは1kgの良いお米が¥90-135くらいだったので、それが¥800近くになっているのを見るのは少し衝撃でした。朝ごはん・昼ごはん・晩ごはんと日々の食事にとても重要なのに。」

とんマヨ
とんマヨ

外国人ゲストが「令和の米騒動」を語ってくる、なんでやねん!

ちめん太
ちめん太

「朝ごはん・昼ごはん・晩ごはん」って日本語まで使ってきとるやないかーい!

これ、ワイ画面の前で1人で爆笑してました。米の値段、朝食・昼食・夕食という日本語、そして「Reiwa rice crisis」というワードまで。日本人より日本のこと詳しいんちゃうか、と。

さらにメッセージは続き、神戸・灘の酒蔵に行く予定(白鶴・菊正宗)、最近試した剣菱の酒が美味しかった話、姫路にも行きたい、京都の北エリアにも興味がある、と。日本愛がダダ漏れすぎて、こっちが恥ずかしくなるレベルです。

最後はこう締めくくられていました。

「2ヶ月でもまだまだ足りないですね — あなたの国は、一生かけても飽きずに発見できるほどの場所です。」

📌 まとめ:正直さが育てた、数字を超える関係性

この話から学んだことは、シンプルです。

  • ホスト初心者の失敗は、正直に話せばゲストも応えてくれる。隠そうとしたり、誤魔化したりする方が信頼を失います。
  • 価格交渉は商業契約だけど、人間の対話でもある。相手の事情を理解し、自分の事情を伝え、最終判断は相手に委ねる。これが基本。
  • 民泊の本質は「対話」と「人間関係」。値段だけで決まる関係ではない。誠実さが、数字以上の価値を生み出します。

あの時、値上げをお願いした自分は浅はかでした。でも、正直に伝えたから、相手も正直に応えてくれた。その対話が、最終的に「アジア最高の宿」評価と、退去後も続く文化交流につながりました。ホスト1年目で得た、お金では買えない財産です。

ちめん太
ちめん太

ええ話やん、泣くわ。

とんマヨ
とんマヨ

これがホストやってる醍醐味や。失敗しても、誠実にやれば、必ず誰かが応えてくれる。

ちめん太
ちめん太

で、結局そのゲスト、今もメッセージ来るん?

とんマヨ
とんマヨ

来月から釜山行くらしい。次のメッセージ、何の話で来るか楽しみで仕方ない。

※本記事のゲストとのメッセージは、プライバシー保護のため一部表現を変更しています。掲載は本人の同意の前提で構成しています。