こんにちは、とんまよです。

民泊ホスト1年目、奥さんと「次の物件、そろそろ探そか〜」と話してた僕は、毎晩のように at home と SUUMO を巡回しておった。そんなある日、画面に飛び込んできたのが ¥500,000 という数字。今日はその物件を内覧しに行って、リフォーム1,000万コースが見えて撤退した体験談を、笑いも込めて書いていきます。

ちめん太
ちめん太

とんまよさん!SUUMOで¥50万の戸建て見つけてん!すぐ買おうや!

とんまよ
とんまよ

あのなぁちめん太、¥50万には¥50万なりの理由があるねん。お前、新車のフェラーリが¥50万で売ってたら買うか?

ちめん太
ちめん太

買う!買う!

とんまよ
とんまよ

事故車やわ、それ。

🏚 序章 - SUUMOで¥50万の戸建てを見つけてしまった

ある日、画面に飛び込んできた数字に目を疑った。

¥500,000。

何回見直してもゼロは5つ。五十万円。場所は兵庫県のとある地方都市。築66年、4K、戸建て、所有権、即時引渡可。

別に買う気マンマンやったわけやない。ほぼアカン物件やろなぁと思いつつ、「ワンちゃんあるかも」のテンションでウィンドウショッピング感覚。

ただ、スペックを読み込むほど「ん?意外と悪くないんちゃう?」とジワジワ評価が上がっていく。これが地獄への入口やった。

人生、思い通りにいかないものでございます。

🔍 なぜ¥50万?スペックの「察し」ポイント

冷静に物件情報を読み直すと、ジワジワと察するポイントが出てくる。

  • 接道1.3m(バイクがギリギリ通る幅)
  • 再建築不可(建て直したくても建てられん)
  • 空家7〜8年(誰も触ってない時間の長さよ)
  • 風呂・洗面なし(戦前か?)
  • 景観形成地区該当(外観改修にルールあり)

要するに「普通の人は買わへんやつ」を、不動産屋がギリギリの値段でジリ売りしてる物件やった。

ただし、立地条件は意外とアタリやった:

  • 用途地域は商業地域(民泊運営的に超やりやすい)
  • とある観光地のすぐ近く(観光客需要は見込める)
  • 景観形成地区指定(外観に縛りはあるが、逆にエリア全体に統一感あって雰囲気良い)

立地はええやん…

ワンちゃんが少しずつ大きくなる音がした。

📋 内覧前にかき集めた情報

買付前にやれる調査は全部やった。

  • 市役所 都市計画課に電話 → 景観地区はOK、用途地域も問題なし。「ぜひ地元活性化のために進めてほしい」と歓迎ムード
  • 市役所 都市政策課に電話 → 景観形成地区該当エリアで、外観改修費の補助金制度ありと丁寧な案内
  • 不動産屋の担当に電話 → 「売主は早く処分したい意向」「残置物は仏壇のみ」「雨漏りは大丈夫(?)」「傾きは…あると思う

市役所の対応が想像以上に好感触で、「地元から歓迎されとる」感が背中を押す。

ただ、不動産屋の「あると思う」。

自分とこの売り物に対して、自信なさげに「あると思う」と言うのは、もう確定情報や。実際は「ある」。

それでも僕の電卓は鳴り止まん。

「リフォーム400万掛けて、ADR ¥20,000で稼働20%なら、3年で回収やん…?」

行政の応援+立地ポテンシャル+格安価格。ワンちゃんが、いよいよ仔犬から成犬になりかけた。

👥 オールスター集結!同行メンバー

内覧当日、僕は最強チームを組んだ。

  • 奥さん:運営イメージ・住む人目線
  • 親戚の内装系プロ:壁・床・タイルの目利き
  • 友達の水回りプロ:給排水・浴室新設の見立て

このメンツが揃った時点で「もう勝ち確やろ」と思ってた、その時の僕を後でぶん殴りたい

なぜならこの日のうちに「諦める勇気」という別の真理を、現場が叩き込んでくれたから。

🚪 着いて2分で詰んだ - 「これ、長屋やん」

物件に着いて、車から降りて、最初の5秒。

担当が「こちらの建物になりまして〜」と指差した瞬間、僕の脳内で警報が鳴り響いた。

長屋。完全に、テラスハウス。

事前に「単独戸建て」と聞いてたはずやけど、目の前にあるのはお隣さんと壁を共有する連棟住宅

ここで誤解されたくないんやけど、民泊新法的には長屋でも運営は可能や。法律上の問題はない。ただし、それは東京・大阪・京都みたいに都市部の宿泊需要がガチで高い地域に限る

地方で長屋の民泊?ワイでも泊まりたくないわ

音漏れ・防火・共有壁の補修権…運営面でも実務的にほぼ詰む。

僕の事前メモには、わざわざこう書いてた。

「長屋だったら撤退」

撤退ライン、開始2分で抵触。

あ、長屋ですね

担当も今気づいたみたいな顔して言うてくる。なんでやねん。

🔧 水道屋の友達がマイナスドライバーで地面を開けた瞬間

それでも一応中を見ていこう、ってことで内覧スタート。

物件の前で、水道屋の友達がいきなりしゃがみ込んでマイナスドライバーで地面のフタを開けはじめた

「何してんの?」

下水のマスや。中見たら水流れてるか、つまってるか、配管の状態が分かるねん。家の中の床下より、まずここを見るのがプロや。

そう言いながら、彼は緑の蓋を回して開け、中を覗き込んだ。

「ザワ…ザワ…」

お前、プロやな!

僕が一人で内覧に来てたら、絶対やってない作業。それも開始3分で。

地面に這いつくばってくれる絵を見ただけで、今日同行してもらった意味があった。サンキュー、ホンマに。

🪵 基礎が腐ってフワフワの床、事実の連発

中に入る。

玄関を上がると、いきなり床がフワッとした。

「うわ、これ。」

歩くたびに床板がたわむ。根太か大引が腐ってる。空家7〜8年というのは、こういう形で家を蝕む。諸行無常。

基礎を見にいくと、コンクリの土台部分が黒ずんで剥がれ落ち、青い苔が生えてる箇所まである。プロ陣が顔を見合わせる。

これ、基礎やり直さなアカン奴やわ。

天井を見上げると、シミがある。雨漏りやろなぁ。

トイレを開けると、便器が古いだけじゃなく、床も浮いてる

キッチンの青タイル、流しの錆、台所の壁の隙間。

「うわ、これ全部やり直しやな…」

僕は黙ってメモを取った。書きながら、心の中の電卓が静かにリセットボタンを押す音を聞いた。

⚠️ 致命傷の追い打ち - 外壁の一部がブロック塀

そして、いちばんアカンかったのが、外壁の一部がブロック塀やったこと。

ただのコンクリブロックを積んで、それが外壁の役目を果たしている

内装系プロが触りながら言うてくる。

これ…鉄筋通ってる気配ないで。

ブロック塀は本来、内部に鉄筋が縦横に通ってないとアウト。1978年宮城県沖地震以降、ブロック塀の倒壊で何人も亡くなってる。鉄筋なしのブロック壁は、地震が来たら確実に倒壊する

ブロック塀を建物の外壁に流用してる時点で、構造的にすでにアウト

地震来たら、終わりやんけ。

ワンちゃんが、跡形もなく成仏した瞬間やった。

🚗 帰りの車で出た結論「最低でも1,000万」

内覧を終えて、車に乗り込む。

「率直に、いくら掛かる?」

プロ陣に聞くと、二人の口から同じ単語が出てきた。

「最低1,000万。本気でやるなら1,500万コース。」

内訳のイメージ:

項目概算
基礎のやり直し¥300〜500万
床下補修・根太大引交換¥150〜200万
屋根葺き替え¥200〜300万
外壁ブロック塀の作り直し¥80〜150万
浴室・洗面新設¥80〜120万
内装フルリフォーム¥200〜300万
仏壇お焚き上げ・残置物処分¥20〜30万
消防設備・民泊届出¥30〜40万

¥50万の物件に1,000万乗せて、年¥160万の利益でフル稼働して、回収7年。

しかも 再建築不可やから、出口戦略はゼロ。一度買ったら売れない。所有してる間ずっと固定資産税と維持費が乗ってくる。リスクしかない物件

電卓のボタンが、もう一回、静かに押された。

「やめとこ。」

💡 教訓 - 地方空き家、内覧前に確認すべき5点

今回の見送り、無駄じゃなかった。ガッツリ学びを持ち帰った。

これから地方の格安戸建てを見に行こうとしてる人へ、内覧に確認してほしい5点:

  1. 単独戸建てか、長屋(連棟)か — 写真だけでは分からん。Googleストリートビューで隣家と接続してるか確認。地方で長屋民泊はワイでも泊まりたくないので避ける
  2. 接道幅 — 1.3mとかは資材搬入で詰む。せめて2m以上は欲しい
  3. 再建築可否 — 「再建築不可」は将来の出口を完全に閉ざす。売れない物件は、いつまでも自分の負債
  4. 空家期間と外壁構造 — 5年超は床下・基礎・配管が確実に劣化。外壁にブロック塀流用してる物件は地震リスクで構造的アウト
  5. 同行プロを連れていく — 自分ひとりでは絶対に見落とす。「地面のフタを開けてくれる人」が一人いるだけで判断精度が10倍違う

🛠 DIYガチ勢へのリスペクト

ここまで散々ボロクソに書いたけど、付け加えとくと、こういう物件でもDIYガチ勢が買って自分で直して、立派な収益物件に生まれ変わらせるケースは普通にある

YouTubeで「廃墟リフォーム」「古民家再生」を検索したら、文字通り生まれ変わってる物件のストーリーがゴロゴロ出てくる。基礎まで自分で打ち直す猛者もおる。

ホンマにすごいと思う。リスペクトしかない。

ただ、ワイには無理や。

工具も持ってないし、平日は本業あるし、奥さんも子どももおる。自分の体力・時間・スキルセットを見極めるのも、投資判断の一部

この物件、ワイが扱えるか?

これに正直に向き合えるかどうか、それが分かれ目や。

📌 まとめ - 動かなアカン、でも引き返すのも勇気

今回の¥50万物件、要点はこれや:

  • 価格・立地・行政の応援だけ見て前のめりになるな。¥50万には¥50万の理由がある
  • 長屋・基礎腐食・外壁ブロック塀・接道1.3m・再建築不可のフルコンボで撤退、判断は正しかった
  • 同行プロの一言で潜在リスク¥1,000万+地震リスク+出口ゼロが可視化された
  • でも、ダメ元でも行動した価値はあった。ワンちゃん物件の可能性はゼロやなかったし、現地で得た知見はネットだけでは絶対に得られへん
  • DIYガチ勢ならイケる物件は世の中にある。自分のスキルセットを正直に見極めるのも投資判断

「諦めたらそこで試合終了」…とはよう言うけれど、地方空き家投資ではむしろ早めに諦める方が試合に勝つ
ただし、動かなアカン。動かんと「見送る」という判断すらできへんから。

ちめん太
ちめん太

とんまよさん、¥50万諦めたんは寂しいなぁ…

とんまよ
とんまよ

ええねん。¥50万の物件に¥1,000万乗せるくらいなら、その¥1,000万で普通の物件買えるやろ。今回の経験で得た学びの方が、安い授業料やったわ。

ちめん太
ちめん太

次もこのメンツでお願いしような!

とんまよ
とんまよ

ホンマ命の恩人や。動かなあかん、でも引き返すのも勇気やな。

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今回ワイは¥50万のボロ戸建てを見送ったけど、この本の著者・脇田雄太さん現金買い+地方ボロ戸建て+激安リフォームで実際に投資を成功させてる猛者。本文で書いた「DIYガチ勢へのリスペクト」の代表選手や。ワイには無理やったが、できる人にとっては最強のメソッド本。地方空き家投資に興味あるなら、ワイの失敗談と合わせて読むとちょうどええで。